No.82618 陽解法、陰解法、動的、静的・・・という言葉
2010-07-21 22:10 投稿者: たけぞう リンク:
削除キー (?)
静解析と動解析、陽解法と陰解法の言葉について、 こんがらがっているので助けてください。 これらの言葉の意味について、 静解析・・・時間経過を考慮しない解析 動解析・・・時間経過を考慮する解析 という認識でなのですが、 陰解法、陽解法は方程式の解法の違いのことで、 静解析、動解析のどちらにも陰・陽解法を使うことができるということでいいでしょうか? 最初は、陰・陽解法は、時間の離散化手法のことかと勝手に思っていたのですが、 静的陽解法なる言葉が存在すると知ってからこんがらがってしまいました。 (静的で時間を考慮しないのに陽解法とはこれいかに・・・と) また、陽・陰解法以外の解法も一般的に使うのでしょうか? 入門書では陽解法、陰解法という言葉は出てきませんが、 実は暗黙の内にどちらかを使って説明しているものなのか、 それとも、どちらでもない方法で解を求めているのだが、 それ以外の方法として陽・陰解法があるということなのか・・・ よろしくお願いします。
No.82622 Re: 10980 陽解法、陰解法、動的、静的・・・という言葉
2010-07-22 00:14 投稿者: Pero リンク:
>静解析・・・時間経過を考慮しない解析 >動解析・・・時間経過を考慮する解析 >という認識でなのですが、 by たけぞうさん この認識であってますが,もう少し補足すると, 静解析・・・慣性項を無視した解析. 動解析・・・慣性項を考慮した解析. です. >陰解法、陽解法は方程式の解法の違いのことで、 >静解析、動解析のどちらにも陰・陽解法を使うことができるということ >でいいでしょうか? はい,その通りです. <陰解法> Newton-Raphsonなどの反復手法により釣り合い式を解く手法.反復手法なので 厳密性は良いですが,収束しない場合もあります. 解が得られるなら,時間増分は,比較的大きく取れる. <陽解法> 釣り合い式を反復手法を用いず,解を得る手法.衝突解析などはこちら. 応力波の伝播をリアルタイムに追跡するイメージです. 応力波の伝播を追跡するので,一般的に解は振動します. 釣り合い式を解かないので,精度を保証するために時間増分に制限があります. →非常に小さなタイムステップとなります. ここで,時間増分という言葉がでてきましたが,動解析の場合には,実時間 での解析が必要となりますが,静解析では,慣性項を無視しているので, 基本的に時間増分という事は必要ありません. 荷重増分で考えます.しかし,静解析でも接触解析の場合は,すべり速度を計算 するため,時間の概念が導入されますが,この場合の時間はダミー時間です. 従って,一つのLOADCASEを1秒区切りで設定したりします. なお,静解析でもひずみ速度依存材料を取り扱う時は,実時間での解析が必要です. さて,以上をまとめると, <静的陰解法> 静解析で,反復手法による解を得る手法.一般的な構造解析はこちらが主流. 慣性の影響を排除した,剛性のみの問題を解く.収束しない場合がある. <静的陽解法> 動解析で,釣り合い式を解かない手法.あまり一般的ではない?. プレス成形解析なので,安定的にかつ,慣性の影響を排除した 解を得たい場合に採用. <動的陰解法> 動解析で,反復手法による解を得る手法.NewMark-β法などが有名. 静的陰解法と同じく,収束しない場合あり. <動的陽解法> 動解析で,釣り合い式を解かない手法.中央差分法が有名. 自動車のクラッシュは,こちら. 最近は,安定して解が得られ,大規模問題にも対応可能という事で, LS-DYNAやAbaqus/Explicitなのでは,準静的な成形問題にも適用している. の4タイプが存在します. この掲示板の検索機能や, CAE実用大辞典:http://www.nc-net.or.jp/cadcamcae/cae/dictionary/ でも詳しい情報が得られるので,検索してみて下さい. ご参考まで.
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