第16回 株式会社 深見製作所

株式会社 深見製作所 代表取締役社長 深見 昌司 氏 代表取締役社長 深見 昌司 氏

株式会社 深見製作所

所在地

岐阜県関市山田1121-1

TEL

0575-28-6311

FAX

0575-28-6310

担当者

専務取締役 深見 隆生

事業内容

主体は自動車、IT関連の産業用装置、測定装置、精密治工具

経営の鍵は、ITとそれを使う人間

深見製作所は刃物で有名な岐阜県の関市にある会社で、『部品は一日納品』を基本とし、産業用装置、測定装置、各種治工具の設計から製造、アフター迄を一貫して取り組む会社である。この会社の代表取締役社長の深見昌司氏にお話を伺った。

社長と会社の歴史について

マシニングセンター

深見製作所は、1960年に精密部品加工屋として、深見社長の父親である平次氏が事業を始めた。当時、深見社長は中学生であったが、経営は芳しくなく、大学時は、1年工場で働いては、1年学校で勉強をするという生活であったという。その後、町工場の家業を引き継いた時にまず考えたのが、「何をして飯を食べてゆこうか」ということであったという。資金も設備もない状態でできるのは、金型、治工具の生産だと考え、プレス金型、鋳物金型、プラスチック金型の取り組みを開始し、業態の転換を図った。それから現在に至るまで、現時点のリソースを客観的、論理的に判断して、その上で行動をしてきた。これが、深見社長の特徴である。そして現在では、蓄積した知識を生かせる装置、治工具の設計、製造を主に行っているのである。「今後の会社の経営を行ってゆく上でカギとなってくるのが人である」と深見社長は強調している。

ITの活用

CAD

深見製作所は、ワイヤーカットマシンの導入や、CADの導入も業界に先駆けて行ってきた。当然今回のような工場動画の導入も業界の先駆けである。ただ「実のところを言うと、メーカーとの機密保持契約の関係で、動画では見せきれていない、見せられない技術がたくさんある。ホームページも然り。」と深見社長は打ち明ける。この点は、まだまだ現実とのギャップを動画という宣伝媒体が埋めきれない点であるかもしれない。

しかし「ITは窓口である。」と深見社長は断言している。これを生かすも殺すも使い手次第なのだ。以前にHPを開設したものの、2年間はアクセス数100件にも満たない惨憺たる状況を経て、最近対策を試みた。結果、内容更新を適宜実行することで、アクセスが増加することを実感してきた。加えて「現在の中小製造業は、現在自分たちが有している強み、弱みや問題点を全て洗い出すことが必要である。そうすれば、自分たちに合ったITの活用法が見えてくるのではないだろうか。」と語っている。現在自分の会社に足りないものは何かとまず考え、その結果が「人」であると思ったら、それを補強するためにITの活用法を考える。このようにしてこれからも深見社長は、論理的にITを活用してゆくのである。

深見製作所では現在、ネット経由での見積、生産計画、管理、データのやり取り、社内LANによる、情報の伝達、無駄の排除を行っている。今後「人」の採用、OJTといった人材育成プログラムにITを活用しようと考えている。具体的にいうと、今回撮影した動画を、募集要項と一緒に、深見製作所に興味をもってくれている学生や海外の人達に配布するのである。実際には、現場を見てもらうのが、深見製作所を理解するのに1番いい方法なのであるが、それが物理的に不可能なケースをITで補うのである。これまでも、中国の上海、大連で協力工場を誕生させた他、優秀な理工系の大学卒業生の採用を実現させてきている。

「ITの可能性は無限である」こう語る深見社長は、今後もITと既存の技術の融合を実現させ、事業の拡大を目指してゆく。

株式会社 深見製作所

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