第18回 プラズマ技研工業 株式会社

プラズマ技研工業 株式会社 代表取締役 深沼 博隆 氏 代表取締役 深沼 博隆 氏

プラズマ技研工業 株式会社

所在地

東京都豊島区西池袋1-18-2

TEL

03-3980-9080

FAX

03-3980-9083

担当者

部長 佐藤 伸一

事業内容

セラミックス・金属・サーメットなどの溶射、製品開発

インターネット活用の未知なる可能性

埼玉県寄居町に主力工場を有するプラズマ技研工業株式会社は、溶射と呼ばれる特殊な表面処理加工を手がけている従業員30名の会社。溶射とは、金属やセラミックなどのコーティング材料を加熱し、溶融または軟化させ微粒子状にしたものを、高速で基材に衝突させることにより皮膜を形成する技術であり、皮膜の形成が非常に早く、幅広い材料への皮膜形成が可能でることが特長である。飛行機の羽根やタービンに用いられている技術だが、まだまだ日本ではなじみの薄い加工といえる。今回、同社を立ち上げた深沼社長にお話を伺った。

同社の営業スタイル

「モノを作ること、自然科学、技術が好き。だって素直だからね。」
なぜこの業界に携わっていらっしゃるのか尋ねると、プラズマ技研の深沼社長は笑顔でこう答えた。子供の頃は科学者になりたいと考えていたという。興味のあることはとことん追求する、とても研究熱心な方のようだ。

プラズマ技研を興したのは1980年7月。当時、表面処理を専門とする会社に勤めていた深沼社長は、何人かの友人と共に独立を図った。結果はすぐに実り、5・6年もすると既に今ほどの規模になっていたという。
順調な滑り出しの背景には、深沼社長独自の戦略があった。

溶射の世界は、もともと重厚長大を顧客としていた。製鉄などの生産ライン、磨耗や補修を専門とする会社が多かったのだ。しかし、プラズマ技研は、あえて軽薄短小の小さなパーツ加工をメインにして、既存の溶射業界で競争しないようにしてきた。精密なものを大量生産するのが基本のスタイル。そうした独自の経営方針によって幅広い客層と、安定した地位を築いてきた。
また、プラズマ技研の売りは特殊な溶射(コールドスプレイ、HFPD)や難しいものが出来ること。 もちろんその技術がプラズマ技研の全てではないが、この高度な技術がプラズマ技研のブランドを上げるのに、一役も二役も買っているのは間違いないだろう。

社内のIT化

社内のIT化については、社内LANと入出荷管理システムを重視している。入出荷データがリアルタイムで見られることで、経営判断が早くできるからだ。今後は、個々の製品まで管理できる生産管理システムを導入してゆきたいそう。既に、コンピューターは経営者にとっての必需品であると感じているのだろう。

「事務的な作業は、やはりコンピューターが便利だと思う。早くて正確だし、第一コンピューターは言い訳しないでしょ。」とユーモアを交えながらも本質を語った。

インターネットの導入

インターネットを会社に取り入れ始めたのは7年前、当時は特定の社員同士の中でのみメールのやり取りをしていた。社長自体、昔からパソコンには興味があり、製造業としては、早いスタートと言えよう。
ホームページを始めたのは6年前。当時は回線が遅かったせいもあり、あまりアクセスがなかったが、最近ではひと月平均200回のアクセスがある。ネット受注を始めてから、世界でも通用するような、元気の良い大手企業からの引き合いも多くなったという。ネットからの新規受注は月平均で4~5件はあるというから、ホームページ開設による窓口の拡大効果は大きい。

問題もある。

「ネット受注を始めて窓口が広がった反面、その対応には時間を要しています。溶射自体はまだまだ世間的に認知度の低い分野。インターネットでまず溶射という存在を知ってもらい、その後の説明が不可欠ですから。」と、ネット営業の難しさを感じてもいるという。
「どうすればもっと分かり易く紹介できるのか、お客様はどの部分を知りたいのか、ニーズに答えてコンテンツを揃えていくよう心掛けている。その為に、まだまだ試行錯誤を繰り返していきたい。」と、今後のホームページ作りに関しては意欲的に語った。

今後も情報交換・管理や受注の窓口として、インターネット活用の未知なる可能性を求めた深沼社長の研究は続くのだろう。

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