第65回 株式会社 シンコー

株式会社 シンコー 取締役営業部長 大石 英明 氏 取締役営業部長 大石 英明 氏

株式会社 シンコー

所在地

〒930-1301富山県富山市馬瀬口90

TEL

076-483-3324

FAX

076-483-0788

担当者

取締役営業部長 大石 英明

事業内容

精密機械板金、精密製缶、機械加工(五面マシニング加工)、レーザー加工(切断、YAG溶接)

精密板金・溶接加工と機械加工の融合

精密板金・溶接加工、機械加工を一貫して請け負う株式会社シンコーは、加工の内製化から製作リードタイムを短縮し、売上高はこの3年間でほぼ倍増させている。この成長を牽引する一人が、営業部長を務める大石英明取締役だ。

「精密板金・溶接加工」×「機械加工」が生み出す競争力

現在40歳の大石氏の経歴はなかなかにユニークだ。自動車の一次請けメーカーからシンコーへ入社したのが24歳の時。入社早々、社長から「福井に工場建てるから、責任者にしてやる。お前がやれ」と告げられた。大石氏は当時を振り返り、「最初の半年は住むところもなく、民宿暮らしで社員もいないし、お客さんもいない工場に1人で行ったんです。約10年をかけて、15名くらいの工場に成長させました。今から6年前に富山の本社に戻り今に至ります。当時から社長の中川からは様々なアドバイスを貰い、現在の営業についても良く相談をします」と、語る。

現在のシンコーの強みについては、「精密板金・溶接加工と機械加工の融合という生産体制が大きな競争力を生んでいます。社内で溶接加工したものを社内で削る。こうして短縮した生産リードタイムは、高いコストパフォーマンスを生み出し、また、内製化している分だけ自由自在に調整できます。つまり納期対応に強い、レスポンスが良いと言う事になりお客様に好印象を与えるんです。精密板金、溶接加工だけではとても今の売上までは来ませんでした」と、成長要因は明確だ。

内製の強みをさらに鍛える

南工場に設置された5台の五軸門型マシニングセンタ

富山空港から車で15分ほどの位置に広がるシンコーの工場には、5台の5面門型マシニングが整然と並び、国内には数台しかないトルンプ社のレーザーパイプ加工機も横たわる。その他にも数多くの設備がされているが、これらの機械設備は顧客への対応の幅を広げることと、生産リードタイムを短縮することに向けられた投資だ。

トルンプ社のレーザーは、パイプ材の正確且つオートマチックな切断を可能にし、後工程でロボット溶接を使うための準備になる。そして、独自の治具設計能力がロボット溶接、機械加工、溶接組立ての対応力を広げる。また、溶接後のスムーズな後加工のために大型の5面門型マシニングが更なるリードタイムの短縮を実現している。

こうした先行投資には昔から積極的であり、1985年に富山県で1番最初にレーザープレス加工機を導入したのもシンコーだった。会社が大きくなるにつれて高価な投資が増えてきたが、中川社長による絶妙の投資決断により、現在の成長につながった。

次なる方向性を追求する

現在、富山も他県同様に絶対的な仕事量が少ない。140名規模のシンコーも、自然と県外に目を向けるようになり、県内の売上ウェートは5割。次なる柱を立ち上げるため、関西や関東への営業を展開している。

今後の展開について大石氏は、「シンコーの始まりは、精密板金加工。次に機械加工ができるようになり、それがお客様の要求事項でもあり喜んで頂けた結果、売上も伸びるようになりました。今後は管理体制強化や部品から表面処理、組立などを視野に、新たな挑戦の領域を広げ、売上30億円を狙いたいです」と、先を見る。

「これは若い子にモノづくりをわかり易くしたいからなんです。一部の加工だけでは本当のモノづくりの面白さはわからない。段階を追って知ってもらえれば、必ずモノづくりが楽しくなるはずだと思っています。その為に順番に付加価値を乗せていきます。挑戦し一歩一歩成長している姿を見ているのが嬉しいんですよ」

シンコーには毎年社長がつくるという社是がある。今年の社是は、「会社を育て、仕事を通じて、自らも成長し、チームワークによりお互いの生活をより豊かなものにしよう(平成20年度)」というものだ。このテーマをひとつずつクリアし、全社員一丸となってシンコーは成長を続ける。

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