第69回 株式会社 エクストエンジニア

株式会社 エクストエンジニア 代表取締役 渡辺 兵吾 氏 代表取締役 渡辺 兵吾 氏

株式会社 エクストエンジニア

所在地

福島県田村市常葉町常葉字七日市場66

TEL

0247-77-4196

FAX

0247-77-4197

担当者

代表取締役 渡辺 兵吾

事業内容

自動車、建設重機部品、光学部品、半導体製造装置関連部品など

24時間完全無休のコンビニ工場

エクストエンジニアは複雑形状で高精度の切削加工を得意とした金属精密部品メーカーである。年中無休の「コンビニ工場」体制をとり、充実したサービスを展開している。

経営革新計画の認定メーカー

2008年7月に完成した第3工場

同社は高精度部品の多品種小ロット加工、短納期、緊急対応を得意とし、360日24時間フル稼動のコンビニ工場である。福島県田村市を拠点に、70台におよぶNC旋盤や最新の5軸制御マシニングセンタなど、充実した機械加工設備と独自の技術で自動車や建設重機、光学、半導体製造装置、FA、動力、航空機など様々な産業に向けて、複雑形状で高精度の切削加工部品を製造している。試作から量産まで対応しており、現在の割合としてはリピート品が6割、試作や小ロット品が4割である。試作と小ロット生産においては福島県の経営革新計画の認定を受けている。ホームページやITを用いて全国のお客様にPRをし、売上げを伸ばしてゆくという趣旨がこの経営革新計画の元となっており、その生産方式をラインとすることが認定に結びついた。そこで生産ライン、新規部品の立ち上げに備え、2008年7月に床面積990㎡、鉄筋2階建ての第3工場を完成させた。

第1工場ではNC自動旋盤を中心とし主に小物製品を扱っており、1日600種類の加工部品を5~6日の短納期で生産している。コンビニ工場と称し、段取りだけを人が入って行う他は、無人稼動を行っている。第2工場ではCNC旋盤などの複合加工機を揃え、より複雑な形状にも対応している。自動車部品など中物製品を主としており、24時間無休で生産を行っている。技術者は切削の暗黙値など、機械には真似の出来ない技能の研鑽に努めている。

第3工場では5軸制御マシニングセンタや5面加工機などによる複合加工で、FA部品や半導体装置部品など大物製品の生産を行っている。ワイヤーカットや平面研削盤などにより、旋盤だけでは対応できない、より複雑で多様な形状の複合加工にも対応している。

WEB活用での新しいビジネスモデル

動力部品

コンビニ工場とは24時間いつでも必要なときに必要なものをお求めいただけるという意味合いのほか、小ロット対応では大手宅配業社「クロネコヤマト」が原点になっている。クロネコヤマトは当初のデパートの専門配送から個人配送(宅配便)に変革した。

同社では先述の福島県経営革新計画の認定を受けて2008年6月にホームページのリニューアルを行った。これまでに蓄積してきた加工の実績とノウハウを活かした細かい製品情報、サンプルを同ホームページから閲覧できるよう、充実した内容になっている。リニューアル後早々からアクセス数を順調に伸ばしており、現状では月に2~3社ペースの引き合いの中から月に1社以上など、受注に繋がるケースも多い。さらに最近では技術動画も配信しており、大変好評である。引き続き積極的にWEBや広告に力を注ぐことで、認知度を上げてゆく方向である。また、日刊工業新聞でも年に20回の掲載が決まっているという。

一方地元の田村市、或は福島県内において同社は現在取引先が未開拓であるため、大手メーカーが今後田村市に生産拠点を置く予定があることにも意識をおき、地域産業にも密着していくという。

短納期に特化したメーカーとして

第3工場の様子

現在の従業員数は102名、中国からの研修生を含むと117名になる。人材教育に力を入れており、入社後半年で部品作りが出来るカリキュラムを用いている。小ロットの部品を毎日行うことでも段取りの技術が上がっていくのだという。ISOの審査により、目標レベルのランクも年々高くなっている。さらに同社では残業をせず、フレックス制度を導入している。

また、日立製作所の認定工場としても発電機の立ち上げを行い、今後生産を開始するところである。その他でもミスミのカタログ商品において、神戸の生産拠点からの規格品を、エクストエンジニアで受け、短納期での量産を行う体制に入った。受注後、3日後に発送するところを1日或は2日後へと短納期化する計画であるという。今後も同社は試作と量産の2本立てで、短納期に特化した金属部品メーカーとして幅広い産業に活躍の場を広げてゆくに違いない。

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